tag を集中的にまとめた記事です。
# まず訳語をどうするか
tag は sumtcita としても、 selbritcita としても、 はたまた(sumtcitaの一部に勘定されそうな気はするが)独立の項としても使えるオールマイティー(?)な語群です。
現行文法では、いわゆる法制と間制と相制に属するものであって、
FIhO SELBRI
BAI
FAhA, VA, VEhA
PU, ZI, ZEhA
VIhA
MOhI
TAhE, PA ROI
ZAhO
くらいのセルマホが該当する。とはいえ、ふつう tag と言われて想起されるのは BAI, FAhA, PU あたりでしょう。
tag は「何かしらの語にたいていはくっついている語」ですので、訳語としては付詞とか添詞とかがいいのかもしれません。ここではひとまず、添詞としておきます。
添詞はロジバンにしては結構珍しい、いくつかの根本的に異なる用法があるとみなせます。添詞を1つの大きな源から掴もうとすると、結構しんどくてですね、それならいっそいくつかの幹があるとみなしたほうが楽に理解できるかもしれません。もっとも、究極的にはいくつかの幹をしっかりと掴めば、その根本に自ずと導かれるだろう、という目論見もあります。
とりあえず、添詞の「語に添える語」という機能だけに注目して、その意味論を頭を一旦まっさらにして捉え直してみましょう。
# 佇まいから区別する
添詞を文中での佇まいから見てみると、大きく3つに分けられます。
1. sumti の頭に佇む(sumtcita)
2. selbri の頭に佇む(selbritcita)
3. 孤独に佇む(スタンドアロンtcita)
1. は恐らく最もよく見る佇まい方ですね。2. は SE や NAhE とその佇まい方が似ているように思いますが、文法的には添詞は真に頭にしか佇みません。
3. は、普通は 1. の特別な場合として取り扱われます。すなわち、孤独に佇む添詞は、その後ろに「隠されたsumti」を持っていて、実際的には sumtcita だと解されます。しかしながら、佇まい方そのものに着目するのであれば、雰囲気の違うものとして取り扱ってもいいでしょう。
BPFK sections では、BAIについて(おそらくこれは添詞全般についての言及でしょうが)、
selbritcita はすべて selbriの直前にくる スタンドアロンtcita と等価である
とされています。さて、スタンドアロンtcita、すなわち{TAG ku}の形のものは
TAG ku = TAG zo'e
と明確に述べられています。ということですので、この3種のタグはすべてsumtcitaに還元されるという点で、本質的に sumtcitaだと言えます。
sumtcita-sumti複合体(以下SS複合体)の意味は端的にいえば、英語や日本語でいうところの「副詞」です。もう少しきちんと言えば、SS複合体は自分の存在するbridiを修飾します。
一方で、tcitaというのはほとんどすべてが fi'o SELBRI の形で書き直されます(というか定義されます)。なので、添詞にはすべてその意味合いの原始となるselbriをもちます。これを添詞の原始とか、タグ原始とか呼ぶことにします。
SS複合体の解釈は実はその添詞の原始がどうであるかで大きく2つに分けることができそうです。その分け方というのは、添詞原始のx2に抽象項(すなわち、lo NU BRIDI)が適合するかどうかというものです。
理由は単純です。SS複合体はbridiを修飾するわけですが、これはSS複合体のsumtiとbridiに関係を持たせるということでもあります。添詞はその関係性に色をつける役割があるわけです。では、その色はどのようにして付けるのかということになりますが、それはもっぱら添詞原始のPSに依るといえます。たとえば、
fi'o SELBRI SUMTI BRIDI
とあったときに、SUMTIは意味上はSELBRI_1に位置しています。SUMTIとBRIDIに何か関係性がある、と言い、それをSELBRIが担っているとするのであれば、おおよそ直感的に BRIDI(をLE NUで包んだ抽象項)がSELBRI_2にくると考えるのは妥当です。
たとえば、cu'uはその原始がcuskuですが、x2にBRIDIが入りえます。ですので、
cu'u mi tu catra le mlatu
というのは、
mi cusku lodu'u tu catra le mlatu
を示唆します。
しかしながら、fi'eのように、原始のx2にどうもBRIDIが適合しないような添詞もあります。もっと一般にいえば、すべての添詞はSEがつけれますから、たとえば、se cu'u はやはり原始(se cusku)のx2にBRIDIが適合しません。ということで、結構な数の添詞が上で述べたようには簡単に解釈できないことになっています。
BPFK sectionsでは、そのような添詞については、意味を " be associated with ..." とだけ書いてあります。つまり、そのBRIDIは原始のどの位置に入るかは明確には言えないが、とにかく関連はしている、くらいに留めてあります。いうなれば、
fi'o SELBRI SUMTI BRIDI ~ SUMTI SELBRI do'e LE NU BRIDI
or ~ LE NU BRIDI cu srana le nu SUMTI SELBRI
くらいに読み下せるだろうと言っています。ここに添詞の難しさのひとつがあります。一様に解釈することがちょっとできないんですね。
※もっといえば、fi'eはその使われ方をみると、副詞のようですらなさそうです。まるで、新しくPSを追加したかのような、擬似項としての機能があるように思います。実際、いくつかの添詞はそのように使われることを想定して開発されたようにも思えますが、統一感がないので個人的には余り好きではないです。
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もう一つ、添詞が出てくるところというのが peやneの直後です。構文的にいえば、pe/neの後ろにはterm(sumsmi)がとれるので、cu'u mi とか fi'e ra といったものも取れるというだけのことですが、これらは副詞のようには振る舞わないと考えたほうが頭にやさしいです。
詳細は省きますが、pe/neの直後にくる添詞はpe の漠然とした関係性を縛る機能があると考えたほうがよさげです。たとえば、
le cukta pe fi'e mi というのは、イメージとしては le cukta | pe | fi'e mi と分けるのでなく、le cukta | pe fi'e | mi と分けて解釈すべきということです。
そうすれば、CLLと適合します。
※時間の都合上最後のほうがすっごい雑いので、また今度きちんと描く
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