2014/09/25

frame of referenceについて

brivlaの定義でよく出てくる(照合枠)。英語では frame of referenceです。
うーん、どういう意味なのだろう、とうだうだ考えていまして、ふと英語版wikipediaの"Linguistic frame of reference"にぶち当たりました。言語だし、これのことかなあ?と思いながらも、いかに簡単に訳を載せます。

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Linguistic frame of reference はある言語で表現されるような frame of reference [以下、「参照枠」で訳す]の一種である。
参照枠はある対象の位置を同定するために用いられる座標系のことである。言語によっては様々な参照枠が使われうる:Relativeな参照枠, intrinsicな参照枠, absoluteな参照枠である。ある言語における参照枠のそれぞれは区別できる言語表現(distinct linguistic expresions)と関連がある。

# 参照枠の分類
* Intrinsic frame of reference (固有参照枠)
Intrinsic frame of reference は2つの物体の空間的関係のことである。この関係では、対象の位置はもう一方の対象のある部分と関連して定義される(それの側、後ろ、前など)。たとえば、"The cat is in front of the house." というのは、猫がその家のうち、我々が"front"(前方)と呼ぶ部分、すなわち道路と面し入り口があり、恐らく玄関のある側にいるという意味である。

* Absolute frame of reference(絶対参照枠)
Absolute frame of reference もまた2つの対象に関する関係であり、対象の位置が恣意的に固定された位置(fixed bearings)との関係で定義される(たとえば、方位)。たとえば、"The cat is to the south of the house"というのは、猫の位置が話者や家のいずれの部分の位置とも独立に記述されている。方位以外にも、海岸、川の上流/下流、山頂方向/ふもと方向/等高線上のような固定された位置も使われる。

* Relative frame of reference(相対参照枠)
Relative frame of reference は3つの対象に関する関係である。対象の位置は認識者ともう一つの対象両方の観点と関連して表される。よって、"the cat is to the left of the house"では、我々は3つの参照点、すなわち猫、家、認識者自身を参照している。

# 異なる参照枠の使用
コミニュケーションにおいて複合的に参照枠が用いられることがある。たとえば、英語では上記3つの参照枠が使用可能であり、実際に用いられてはいるが、absoluteな参照枠は地形学的対象に使用が限られている("Finland is to the east of Sweden.")。より好まれている参照枠はrelativeなものである。absolute参照枠に非常に依存している言語には、オーストラリアのアボリジニーの言語(Arrernte language, Guugu Yimithirr)、Mayan言語が多くある。Guugu Yimithirrでは、"The cat is to the left of the house."と言う方法がなく、必ず "The cat is to the south of the house."のように猫と家の関係を述べることになる。
intrinsicな参照枠に大きく依存している言語としては、MopanやTotonacがある。
異なる参照枠の使用は認知上かなり遠くの領域にまで影響が及ぶ。たとえば、absolute参照枠中心な言語で意思疎通が図れるようになるためには、話者は内的なコンパス、すなわち、見知らぬ場所においてでさえも方位が分かるような驚くべき神経認知能力を獲得しなければならない。

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しかし frame of reference は物理学で「座標系」という言葉だし、いろんな意味があるのでてんてこまいですよ。
と、念のため「照合枠」でググってみると、出てくるのは心理学用語としての frame of reference。
これによると、内的照合枠というのがあるらしく、これは主観的な認知スキーマのことらしい。
もちろんこれと対比的に外的照合枠もある。これは客観的な世界の捉え方、くらいの意味なんだろう。
もし、これがロジバンのPSの frame of reference とすれば、外的・内的については書いてないので、どちらの場合にも使える slot なんだろう。

だが、この心理学的照合枠はおそらく言語学的照合枠のRelativeなものと深く関わっているはずだ。Relativeな照合枠では、2つの対象に加え、その知覚者自身も参照対象に入る。
cnita-gapru (下方-上方)では lo te selbri の要素数が3であり、まさに相対照合枠の適例のようなbrivlaとなっている。


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