Lojban Lessons - 20章 (bo, ke, co, そしてさらなる可愛さ)
「君は重要な、アメリカ系の、コンピュータの買い手だ」と言ってみましょう。[注:括弧で括ると、重要な(アメリカ系の(コンピュータの買い手))] さて、どうしますか?こういった構造にはtanruが理想的です: mi vajni merko skami te vecnu 。いや、しかし、これは正しくないのです。tanruは左から右へと括られていくので、このtanruは次のように理解されます: ((vajni merko) skami) te vecnu - 「重要なアメリカ人のコンピュータ、の買い手」。有用なtanruを得るためにselbriの順序を変えることはできません。また、論理接続詞を使っても解決できません(論理接続詞は後でやります)。唯一の解決策はseleriの結合の仕方を変える方法です。
[注:日本語では修飾関係を明記することはほとんどありません。唯一のルールといえば、修飾部は被修飾部より前にくる(その距離は問わないが、近い方が関係があるとみなされやすい)ことだけです。例えば、「黒い長い髪の女」という日本語は一見問題なく見えますが、修飾関係は実に曖昧で、ロジバンではそこを厳しく指摘します。実際、黒い長い髪の女と見て、どう解釈しますか?僕は、(黒い(長い髪))の女と解釈しました。しかし、見方によっては、黒い((長い髪)の女)、つまり日に焼けた肌の黒い女性を表しているとも読み取れます。ですから、日本語を見るだけでは修飾関係がしっくりこないことが多々あると思うので、この章はいささか奇妙に感じるかもしれません。なるべく訳しわけるように努力はしたつもりです。]
tanruで二つのselbriを結合するには、その間にboを挟みます: mi vajni bo merko skami bo te vecnu は、mi (vajni bo merko) (skami bo te vecnu)と読まれ、この文脈では有用です。boが一続きのselbriの間に挟まれているとき、くくり方が通常の左から右へではなく、右から左へになります: mi vajni merko bo skami bo te vecnu は、vajni (merko bo ( skami bo te vecnu))と読まれ、「重要な(アメリカ人の(コンピュータの買い手))」となり、この状況ではより一層適切な表現です。
bo 二つのselbriを強く繋げる
それは美味しい黄色のりんごだ、をロジバンに訳してください。
kukte x1はx2にとっておいしい/美味
Answer: ti kukte pelxu bo plise
「それは大きい、美味しい黄色のりんごだ」はどうですか?
Answer: ti barda kukte bo pelxu bo plise
これに対するもう一つのアプローチは、ke...ke'eを使うやり方です。これらは上の段落で使った括弧に相当する語とみなすことができます。keは強いselbriの結合を開始し、ke'eはそれを閉じます。
ke – 強いselbriの括りを開始する
ke'e – 強いselbriの括りを終了する
keの結合の強さはboと同じです。それゆえ、mi vajni merko bo skami bo te vecnu は、mi vajni ke merko ke skami te vecnu {ke'e} {ke'e}とも書けます。
「私はドイツ系の、黄色い家の販売員だ」をなんと言いますか?
Answer: mi dotco ke pelxu zdani vecnu
tanruの構造がぐちゃぐちゃになっている中、注目に値する語がもう一つあります。まず、「私は翻訳のプロだ」は、mi fanva se jibriと言えます。
jibri x1はx2(者)の職/仕事; x2はx1に就職している
dotybau x1はx2(使用者)の、x3(命題(si'o, du'u))と言うために使われるドイツ語
glibau x1はx2(使用者)の、x3(命題(si'o, du'u))と言うために使われる英語
「私は英語からドイツへの翻訳のプロです」と言うには、beとbeiで文をぐちゃぐちゃにしなければなりません: mi fanva be le dotybaubei le glibau be'o se jibri 。こうなると、これがtanruであるだなんてことは文が複雑すぎて、話している間に忘れてしまいます。ここで、coを使いましょう。これはtanruに挿入して、その右側がその左側に係るように仕向けます:
mi se jibri co fanva le dotybau le glibau はさっきの文と同じ意味ですが、より理解しやすいものになっています。tanruの前にあるsumtiはse jibriのもの、tanruの後にくるsumtiは修飾selbri: fanvaのものになることに注意してください。
co tanruに挿入する。先行するsumtiは被修飾selbriのもの、後続のsumtiは修飾selbriのものになる。
coの結合力はとても弱く、何の結合語も伴わない普通のtanruの結合よりも弱いです。
これは、常に左側が被修飾部、右側が修飾部になるようにするためです。この結合力の弱さのおかげで、co構成体は構文解析がしやすいのです:
ti pelxu plise co kukte は、ti (pelxu plise) co kukte と読まれ、これはti kukte pelxu bo pliseと同じです。これは、ke...ke'eがcoを包み込めないということも意味します。
selma'oGIhAのcmavo、bridi末の後付け論理接続詞は、coよりも弱い結合力です。これは、どのselbriがGIhA構成体のどれに結合するのかという混乱を完全に避けるためです。結論は簡単です: GIhAはどんなselbriグループも包み込むことがありません。
「私は重要な、アメリカ系の、コンピュータの買い手です」をcoを使って表現してください。
Answer: mi skami te vecnu co vajni merko
役に立てばと思い、結合の強い順にまとめてみました:
1. bo と ke..ke'e
2. bridi末の後付け論理接続詞を除く、論理接続詞(25章で説明します)
3. 結合語無し
4. co
5. bridi末の後付け論理接続詞
この章の残りは、17章でやったような有用だと思われる多彩な語についてやっていきます。
boにはもうひとつ、selbriのくくりを隔てるような使用方法があります。それは、sumtcitaの内容がsumtiではなくbridiになるように、sumtcitaをbridi全体にくっつけることができるということです。これは例をあげて説明するのがいちばんでしょう。
xebni x1はx2(物/者/事)を憎む; x1はx2にたいする怨恨を抱いている; x2は憎らしい
mi darxi do .i mu'i bo mi do xebni - 「私はあなたを叩く、私があなたを憎むという動機を以って。」
ここでは、boはmu'iとそれに続くbridiをくっつけています。
テンスsumtcitaとその他のsumtcitaの細かな違いというのがこれです。分かる通り、boでbridiとつながっている普通のsumtcitaについては、後続のbridiがsumtcitaのsumti位にはめ込まれます。しかし、神のみぞ知る理由により、baやpuといった語がbridiと結合するときは真反対の効果を受けます。たとえば、mi darxi do .i ba bo do cinjikcaというbridiにおいては、二番目のbridiがbaのsumti位に埋められ、一番目のbridiは二番目のbridiの未来に起こるという意味になると思うはずです。しかし、そうではないのです。この文の正しい訳は、「私はあなたを叩く。そのあと、あなたはいちゃつく」となるのです。この奇妙なルールは、すべてのsumtcitaのカテゴリをひとつにまとめられない主たる原因となっています。もうひとつの違いは、テンスsumtcitaは何かに係っていても、省略することができるという点です。このルールはさっきよりは妥当なものです。なぜなら、bridiがある時間やある空間にあるというのはしばしば想定できますが、BAIのsumtcitaが係っているとは想定できないからです。
非公式な語me'oiはme la'e zo'oiに相当する語で、直後にくる語をselbri化します。これはbrivlaを何もなしに開発するために使えます: 「mi ca zgana la me'oi トトロ」は「私は今、トトロを見る」となります。la'oiやzo'oiのように、公式文法ではサポートされてはいませんし、試験的文法を用いた構文解析においても大いに問題を孕んでいます。 [訳: me'oiはzo'oiを使って定義されていることを考えれば、当然のことです。ちなみに、zo'oiについては18章で述べています。]
giは奇妙なbridiセパレータで、.iに似ていますが、私の知るところでは二つの異なる構造に使われます。すなわち、giは論理接続詞(25章)だけでなくsumtcitaにも使えます。sumtcitaに使うのは、有用ではありますが、少し見にくい構造になります:
mu'i gi BRIDI-1 gi BRIDI-2は、BRIDI-2 .i mu'i bo BRIDI-1と同等です。それゆえ、私があなたを叩いた云々の例文は、mu'i gi mi xebni do gi mi darxi do とできます。また、元の文の順序を保存するためにmu'iにseを使うこともでき、その場合は、se mu'i gi mi darxi do gi mi xebni doとなります。
mi fanva be le dotybaubei le glibau be'o se jibri
返信削除↓
mi fanva be le dotybau bei le glibau be'o se jibri
ki'e do noi te pinka fa'o
削除現在、日本語翻訳はここに残してはいますが、le uitki へのテキストの移行が済んでいます:
https://mw.lojban.org/papri/lojban_wavelessons_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88
こっちは共同編集が可能なので、こちらの方の修正をお願いできますか。pe'u do
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