2013/05/14

Lojban Lessons -9章 (sumtcita)

Lojban Lessons -9章 (sumtcita)

 今までに出てきたselbri[注: 厳密にはbrivla、selbriとして使える語]に関しては結構使いこなせているかと思います。しかし、selbri[注:厳密にはbrivla]はまだまだたくさんあり、言いたいことがそのsumti位に存在しないことも多々あります。たとえば、「私はコンピュータを使って翻訳する」は何と言えばいいでしょう?fanvaを使う際に道具のことを言うことはあまりない [注: という風に議論の末結論づけられた]ので、fanvaには「翻訳する道具」に該当するsumti位が用意されてません。心配ご無用、この章ではselbriに新しいsumti位を追加する方法を学びます。

sumti位を追加するためのもっとも原理的な方法は、fi'o SELBRI fe'u を使うものです (fa'orma'oがまた出てきましたね。これはほとんど全く必要ないので、おそらく最も見かけることのないものでしょう)。
この二つの語で、lo SELBRI kuと同じように SELBRI を囲みます。fi'o SELBRI fe'u は、囲まれたselbriのx1を引き出します。しかし、fi'o SELBRI fe'u それ自体が(lo SELBRI kuのような)sumtiになるわけではありません。これは「sumtiラベル」を意味するsumtcitaになり、後ろにくっついたsumtiの意味をそのselbriのx1にします。sumtcitaは直後にくるsumtiを取り込みます。sumtcitaは他のselbri[注: 厳密にはbrivla]から、必要なsumti位を輸入する方法とも言えます。

[注: 後で述べますが、今からやるfi'o...fe'uよりも、cmavoの一種であるBAIという語を使うほうが多いです。しかし、BAIはfi'o...fe'uを基盤としているので、しっかり学んでいきましょう。]

Note: ときどき、特に昔の文章にあるのですが、tagやmodalといった用語がsumtcitaに当てられていることがあります。こういうくだらない訳語は忘れてください。ここで正しいロジバンを教えますので。

ただ読むだけでは理解しにくいと思いますが、例をみれば実に単純なものだとわかるかと思います。
skami  x1 はx2(目的)のためのコンピュータ
pilno  x1 はx2を x3のために使う

mi fanva ti fi'o se pilno {fe'u} lo skami {ku}{vau}
「私はこれをコンピュータを使って訳す」

pilnoのx2、つまりse pilnoのx1は、誰かに使われる道具というsumti位です。この位置構造がfi'o SELBRI fe'uによって捉えられ、メインのselbriのsumti位に付け加えられ、それがlo skami で埋められています。なお、sumtcitaのアイデアは英語では次のような表現によって訳されます: “I translate this with-tool: A computer”

sumtcitaは常にその直後にあるsumtiをひとつだけ取り込みます。ちなみに、sumtcitaがなす構造はkuで締められます。sumti無しにkuで締められた場合はzo'eが想定されます。
zukte x1はx2(行動内容)をx3(目的/目標)のために意志を以て行為/実行する

fi'o zukte {fe'u} ku lo skami {ku} cu pilno lo lojbo {ku}{vau} = 「(何かが)意思をもって、コンピュータはロジバン的なものを使う」(もしかするとロジバンコンピュータに意思が宿ったということを言っているのかもしれません。とはいうものの、誰が意思をもつのかを明示してはいません。意思があるのはプログラミングをしたプログラマーかも...それだと面白みがないですけれど)

mi jimpe fi lo lojbau {ku} fi'o se tavla {fe'u} mi は何を述べているでしょう?
lojbau x1はx2(コミュニティ)で話されるx3という内容を表すロジバン

Answer: 「私は話しかけられる者であり、ロジバンについて理解する」

sumtcitaは直後のsumtiしか取り込まない(selbriは取り込まない)ので、selbriの直前に置くと勝手に構造を締めくくります。これは後の章で重要になってきます。

しかし残念ながら、fi'oは、その柔軟性にもかかわらず、あまり使われません。代わりによく使われるのはBAIです。BAIはロジバンのカテゴリのひとつで、それにはsumtcitaとして振る舞う語が属しています。たとえば、zu'eはzukteのBAI版です。文法的にはzu'eはfi'o zukte fe'u と同じです。よって、上の例文はもっと簡単に書けます: zu'e ku lo skami {ku} cu pilno lo lojbo {ku} {vau}.

BAIには60くらいの語が収録されており、その多くは本当にとても有用なものです。さらに、BAIはSE(se,te,ve,xe)で修飾することもでき、se zu'eはfi'o se zukte fe'u と等しい意味になります。こうしてより多彩なBAIを生み出すことができるのです。

[注: 有用なら紹介してよ!.oi と突っ込みたくなりましたので、ここで私が初期に覚えておくと役立ちそうなものをピックアップしたいと思います。

bau {sumti}という言語で
>bangu x1はx2(使用者)がx3(概念/命題/文字列)を表すのに用いる言語

fi'e {sumti}が創って/作成者は{sumti}で
>finti x1はx2をx3(目的/機能)のためにx4(既存要素)から創る/著する

ga'a {sumti}から観て/を観察者として 
>zgana x1はx2(対象)をx3(方法)・x4(条件)で観察/観賞/鑑賞する

gau {sumti}によって
>gasnu x1(者)はx2(事)をする

ka'a {sumti}が行って・来て / 往来者は{sumti}で 
>klama x1はx2(終点)にx3(起点)からx4(経路)をx5(方法)で行く/来る

ka'ai {sumti}と共に
>kansa x1はx2に、x3(事)において伴う/付き添う; x1とx2は一緒

pi'o {sumti}が使って/使用者は{sumti}で
>pilno x1はx2(道具/機械/者)をx3(目的)のために使う/用いる

si'u {sumti}が助けて/補助となって
>sidju x1はx2(者)をx3(行動/事)に関して助ける

ta'i {sumti}を方法/手段として
>tadji x1(過程)はx2(事)をx3(状態条件)のもと遂行するための方式/方法/用法/手段

tu'i {sumti}を場所として
>stuzi x1はx2(物/事)の本質的/恒久的な場所/現場

mu'i {sumti}が動機となって
>mukti x1(事)はx2(事)をx3(者)に動機する

ki'u {sumti}が許容する理由となって
>krinu x1(事)はx2(事)を許容する理由

ri'a {sumti}を物理的原因として/によって
>rinka x1(事)はx2(事)をx3(条件)において引き起こす

この中で特にSEを付けて使われることが多そうなものも挙げておきます。もちろん、BAI類は(使用頻度はどうであれ)すべてSEをつけれます。

te fi'e : {sumti}のために(作成の目的対象)

se ka'a : {sumti}へ(行き先)

te ka'a : {sumti}から(往来の起点)

xe ka'a : {sumti}という移動手段で

se pi'o : {sumti}を使って(道具)

ta'i ma とか tu'i ma とかは英語のhowやwhereに相当します。ただしtu'iは元の語の意味「恒久的な場所」を引き継いでいるので、一時的な場所を表すのには使えません。つまり、建物の場所とか、部屋の位置とかには使えますが、太郎のいるところや失くした鍵の場所などには使えません。
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